豪州サウスダウンプロジェクトの権益取得について

2012年3月15日

株式会社神戸製鋼所

当社は、双日株式会社（以下双日）が100％出資する豪州法人Sojitz Resources ＆ Technology Pty Ltd（以下SRT）の株式のうち、33％を取得することについて、双日と合意しました。
SRTは、同社と豪州上場企業であるGrange Resources Limited（以下Grange）が現在開発に向け最終事業化調査を実施中の豪州サウスダウンプロジェクト（以下サウスダウン）の権益の30％を保有しております。当社は今回のSRT株式取得により、間接的にサウスダウンの9.9％の権益を保有することになります。

サウスダウンは、マグネタイトペレットフィード（※）を生産する新規開発鉄鉱山プロジェクトです。鉱山は積出港である西豪州南部アルバニー港の北東90kmに位置し、他の豪州鉄鉱山に比し、輸送距離が短いという特徴を有しております。環境許可も順調に取得しており、鉄分69％程度の高品位マグネタイトペレットフィードを、2015年から年間1,000万トン規模で出荷することを予定しています。インフラを含めた総開発コストは、2,500億円程度を見込んでおります。

当社は株式取得と同時に、今後当鉱山で生産されるマグネタイトペレットフィードを年間150万トン引き取ることについて、双日と合意しました。これにより、当社加古川製鉄所ペレット工場の安定操業とコストダウンに寄与してまいります。

加えて、将来的に良質鉄鉱石資源の減少と鉄鉱石価格の高位安定が予想される中、神戸製鋼はこれまでも鉄鉱石権益取得を進めてまいりましたが、今回の参画によって、一段の自社権益保有率の向上が期待できます。
必要資源の長期的安定確保とともに、自社権益保有による鋼材事業の競争力強化を進めてまいります。

サウスダウンプロジェクトの概要

権益構成	Grange 70％　SRT 30％
鉱山所在地	豪州西オーストラリア州南部（アルバニー港の北東90km）
生産鉱種	マグネタイトペレットフィード
生産量	約1,000万トン/年
開発計画	2015年出荷開始予定
積出港	アルバニー港

SRTの概要

社名	Sojitz Resources & Technology Pty Ltd　（当社参画後、社名変更予定）
株主構成	双日100％　（当社参画後、双日67％　神戸製鋼33％）
所在地	豪州西オーストラリア州パース
社長	赤井美樹
主要事業	サウスダウン権益の30％を保有。

Grangeの概要

社名	Grange Resources Limited
株主構成	豪州証券取引所に上場
所在地	豪州西オーストラリア州パース
社長	ラッセル?クラーク

※マグネタイトペレットフィードとは

ペレットフィードとは、一般的にペレット原料に適した微粉の鉄鉱石のことを指し、マグネタイトは磁鉄鉱（Fe3O4）のことを言う。従ってマグネタイトペレットフィードとは「微粉の磁鉄鉱」。マグネタイトは高温で効率よく焼成すると、酸化し、発熱するため、ペレット工場でのエネルギーコストが低減できるメリットがある。