プレスリリース

*プレスリリースの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

汚染土壌?地下水浄化用鉄粉「エコメル?」の国土交通省／新技術情報提供システム（NETIS）登録について

2013年3月21日

株式会社神戸製鋼所

当社の鉄粉製品のひとつである重金属等有害物質の拡散を防止する汚染土壌?地下水浄化用鉄粉(商品名：エコメル?)が、2月25日付で国土交通省の新技術情報提供システムに登録されました。登録番号は「KK-120063-A」です。

「エコメル?」が新技術としてNETIS登録されたことで、トンネル掘削等の公共工事で多く発生する自然由来の重金属を含有し溶出するリスクのある土壌対策のコスト低減、工期短縮に向けて設計および工事施工段階において容易に採用できるようになりました。今後採用拡大に向けた技術提案活動を積極的に推進していきます。

土壌汚染対策としては、これまで一般的に掘削による除去で行われていましたが、土地所有者のコスト負担及び環境リスクの観点から問題が指摘されており、近年では薬剤混合によって有害物質の溶出を防ぐ「不溶化処理」への移行が図られています。

更に、現在では低コスト?短工期で施工可能な「吸着層」による重金属の捕捉が注目されています。これは対象となる土壌の盛土基礎に「吸着層」を敷設することにより、重金属等が地下に浸透することを防止するもので、「不溶化処理」の様に対象土壌を全量混合する必要がなく、固化養生する置き場や期間も不要なことからコスト低減?工程短縮に寄与する方法です。

当社は2002年に揮発性有機化合物（VOC）の無害化を目的として浄化用鉄粉「エコメル?」を開発、販売をスタートしました。更に2009年の土壌汚染対策法の改正により、自然由来の重金属が法規制の対象となったため、砒素に代表される重金属を吸着する「エコメル?」を開発、新たなメニューとして販売をしています。

「エコメル?」を吸着層工法の吸着剤として使用することで、「不溶化工法」と比較してコスト及び工程の大幅な改善が可能となります。合わせて、環境負荷低減が図られます。

当社は、今後も環境に配慮し、かつお客様のコスト低減に寄与する製品を、国内No.1鉄粉供給メーカーとして社会に貢献していきます。

＜ご参考＞

重金属吸着用「エコメル?」とは

鉄粉の還元作用で重金属を吸着することにより、その拡散を防止する吸着剤として用いられ(図2ご参照)、以下の特長を有しています。

Environmental Friendly

自然(鉄鉱石)から生まれ、粉末にすることで、機能性を備え自然に帰ります。
pHは中性で、植生等周辺環境に負荷を与えません。

種々の重金属に有効(マルチ性能)

複数の重金属汚染が予想される自然由来汚染対策に効果的です。

優れた吸着性、不溶化(安定)性を発揮

「エコメル?」は従来の鉄粉と比較し、数10倍の砒素吸着量を示します。(当社比)
一度吸着した重金属は難溶性物質を形成し、離しません。

安定した品質で大量供給が可能

アトマイズ法による鉄粉製造のパイオニアとして、40年にわたるノウハウがあります。

「エコメル?」の吸着、不溶化性能を表に示します。尚、土壌環境センターの硫酸溶出試験は酸性雨100年分が模擬されています。

「エコメル?」を使用した吸着層工法によって、従来のセメント系材料を使用した不溶化工法に対して、コスト19％、工程61％の削減が可能です。(効果は重金属溶出量等で変化します。)

表1．「エコメル?」の重金属吸着、不溶化性能

対象物質	環境基準値	吸着試験重金属濃度		溶出試験後重金属濃度
		試験前	試験後	環告46号	硫酸溶出	消石灰溶出
				pH=5.9	pH=2.9	pH=12.1
ヒ素	0.01	0.1	0.002	<0.002	<0.002	<0.002
鉛	0.01		<0.005	<0.005	<0.005	<0.005
六価クロム	0.05		<0.02	<0.02	<0.02	<0.02
カドミウム	0.01		<0.001	<0.001	<0.001	<0.001
セレン	0.01		0.002	<0.002	<0.002	0.006

試験条件

①吸着試験

初期濃度：0.1mg/L、溶媒：イオン交換水、「エコメル?」添加量：1g/L、 24時間振とう
ろ過により回収した「エコメル?」を用いて、溶出試験を実施した。

②溶出試験

「エコメル?」添加量：1g/L。その他の条件は、環境省告示第46号、土壌環境センター技術標準TS-02-S1硫酸?消石灰添加溶出試験法による。