プレスリリース

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高機能抗菌めっき技術ケニファインを応用したシルクスクリーンプリント技術の開発

～「長岡まつり」及び「KOBELCO CUP」のTシャツに採用～

2013年7月30日

株式会社神戸製鋼所

当社は、2001年に開発した高機能抗菌めっき技術「KENIFINE(ケニファイン)」の用途拡大を進めておりますが、今回、シルクスクリーン印刷製品の専門会社であるSTRAIGHT社、ケニファイン粉末を製造販売している（株）高秋化学と共同で、抗菌加工プリント技術を開発しました。これにより、布やプラスチックなどの様々な製品へのプリントに抗菌機能を付与することが可能となります。
また、実用化第一弾として、大花火大会で有名な「長岡まつり」（8月1日～3日）のボランティアスタッフ250名と、高校生のラグビー大会「KOBELCO CUP」（8月2日～4日）の参加選手300名に配布されるTシャツに同時採用されました。汗の臭いを抑え、夏の屋外でも清潔かつ快適に過ごせる効果が期待されます。

ケニファインは、当社が独自開発した高機能ニッケル系合金めっき技術で、当社は自社にめっきラインを有するメーカに技術供与しています（ライセンシーは現在10社あります）。従来の抗菌技術（抗菌塗装、抗菌ステンレス、銀系抗菌剤など）に対して滅菌スピードは10倍以上、かびの生育を抑制する作用は50倍以上です。また、ウイルスや藻類、ミズカビ等への効果も認められています。開発が完了した2001年に最初の技術供与先が決まり、2002年より量産を開始し、その後、めっき技術の改良（耐変色処理や粉末化技術の開発、樹脂への適用化など）を行ない、すでに、食品?飲食産業や医療関係、家電?エアコン部品、漁業用金網などの産業分野や、台所用品、グルーミンググッズ、アミューズメント分野などの民生用途で採用されています。

シルクスクリーン印刷は、孔版画の技法の一種であり、布などを用いてインクが通過する穴とインクが通過しないところを作ることで版画の版を製版し、印刷する技法です。紙?布?プラスチック?木材?生地など、多くの物に印刷ができる特徴があります。昔は版材に絹（シルク）の布を使用したためシルクスクリーン印刷と呼ばれますが、現在では絹布ではなく化学繊維の布を使い、広く一般的に使われている印刷方法です。例えば、Tシャツ?スカーフ?キャップなどのアパレルグッズ、キーボードの表記や看板などのプラスチック製品、カーペットやペットシーツなどの布製品、ボールペンなどの文具、壁紙などの住宅建材、警告灯表示部などの自動車部品といった広範囲に使用されており、これらにケニファインを印刷することが可能となります。

今回、シルクスクリーン印刷製品の専門会社であるSTRAIGHT社がケニファイン技術に注目したことがきっかけで、ケニファインの技術を有する神戸製鋼と、ライセンス供与先でケニファイン粉末を製造販売している（株）高秋化学と共同で、プリントのインクにケニファイン粉末を混入する技術を開発し、金属であるケニファイン粉末を混入しても印刷の品質を維持することに成功しました。また、この技術の実用化第一弾として、STRAIGHT社の地元で行われる「長岡まつり」のボランティアスタッフ用Tシャツ250枚と、同日に開催され当社が協賛するKOBELCO CUPの参加選手が開会式で着用するTシャツ300枚にケニファインプリントが採用されました。いずれも夏季の屋外での活動ですが、汗のにおいを抑えさわやかに活動する一助とすることを目的としています。今後は、スポーツ用品や靴の中敷、かばん、化粧ポーチ、文具、ネックストラップ、あるいは作業服、医療用衣服、病院カーテンなど、抗菌機能が望まれている各種用途向けに適用範囲を広げ、ケニファインの利用をさらに進めていきたいと考えております。

（ご参考）

①個人事業主　STRAIGHT社

②株式会社高秋化学